こんにちは。
ドッグマッサージセラピストの
スザキエリです。
先日、左後肢の靱帯結合手術をしたパドマちゃんのマッサージをしました。
おうちの方がこんなことを仰っていたのが印象的でした。
家に迎えてからずっと左の後ろ足が小さいなぁ、と思ってました。
「えええぇー」と思うと同時に「なるほどー」となんだか納得してしまった私。^^;
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パドマちゃんを家に迎えてから約9ヶ月。
元気で散歩の時も全く変わった様子もなく、いくらでも歩きたがったそうです。
でもひとつ、ぼんやり覚えているのが左の後ろ足が小さいなぁ、ということ。
そしてある日突然、左後肢を全く着けなくなり、診断の結果、靱帯が完全に断裂していたそうです。
これを聞く限り、パドマちゃんを引き取った時にはすでに怪我をしていたのではないかと思います。
左後肢のつま先が小さく見えたのは、
その肢に体重をかけていなかった
せいでしょう。
日頃からつま先を観察する
犬が普通に立っている時のつま先とはどんなふうでしょう?
イメージできますか?
しっかり5つの肉球が地に着いています。
体重をかけられない理由がある場合は、ほんの先だけ地に着いています。
また、肉球側から見て、その擦り切れ具合によって、どこに体重をかけているかが分かります。
ほんの数秒なら別ですが、
継続的に特定の肢に体重をかけていないのなら、その肢に痛みがあると予想できます。
靱帯は小さな亀裂が入った状態であれば、自然に傷が治るのを待つのが一般的です。
でも毎日の運動の積み重ねで、その亀裂が少しずつ大きなっていき、パツンと完全に切れてしまうと手術するしかありません。(≧д≦)
ですからなるべく早く気付いてあげたいのです。
でもパドマちゃんのように痛みを隠すのが上手で、元気にいくらでも遊びたがると、見逃してしまうのも無理はない気がします。
彼女は特に痛みに強いようでした。
「どうにでもしてぇ~」なパドマちゃん。^^
この日マッサージするのがこのわんちゃんとは知らずに病院の待合室で既に仲良しになっていた私達。*^^*
手術後のわんこさんはとーーってもセンシティブになっていますから、触られるのを拒むものですが、大らかでとっても優しいパドマちゃん。
こんなパドマちゃんだから、多少の靱帯の亀裂も我慢してしまい、ご家族も事の重大さに気が付かなかったのでしょう。
怪我や痛みをすぐに発見するために
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散歩の時にあらゆる角度から歩く様子をチェックしましょう。(足を引きずっている?うさぎのようにピョンピョン跳ねる?)
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どの肢に体重をかけているのか、いないのか、つま先を見て考えてみましょう。
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犬がどんなに元気で、走り回れたとしても、痛みの程度を知る判断材料にはならないことを覚えておきましょう。(犬は痛みを隠すのが上手です。)
参考
スタンス・アナライザー(Stance analyzer)というものがあります。
これは犬が体重を四肢のどの部分にどれだけ分散しているかを数値化してくれる機械なんですよ。
↓ ↓
このわんちゃんは、左前肢に前体重の24%、右後肢に21%、右前肢に38%、そして左後肢に17%を分散しています。
このデータからどういうことが言えるでしょうか?
左後肢に17%しか体重をかけていないということは痛みがあるのでしょう。
そしてそれを庇うため、右前肢に38%もの体重がかかっています。
左前肢と右後肢にほぼ均等(24%、21%)に体重が分散されているのと対照的です。
こんなふうに痛みの場所が絞られると、レントゲンやMRIなども特定の部位のみ限定して依頼できるので、経済的でもあります。^^;
スタンス・アナライザーを導入している獣医さんもいらっしゃいますので、愛犬の様子で気になることがある場合は一度聞いてみるといいと思います。